review

管理人の好きなもののレヴューです
嫌いなものは当然書きません
レヴューというか・・・一方的な感想に近いかも

好きになったものの、『どこを』好きになったのか
徒然と書いてみました
基本的にネタバレです
これから読んでみよう、見てみようと思っている方はお引き取り下さい

 

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 Novels

全てがFになる

森博嗣のデヴュー作
ストーリィがとても綺麗に理論立てられています
研究者であることをとても強く感じさせる作品
実際、研究段階の試行錯誤はこの作品の推理状況を追っていくのにとても似ているのではないかと思います

初めて読んだのは中学生の時
まだ、コンピュータは万能の箱と思っていた時代でした
作中で警官が「コンピュータなら何でも出来るんじゃないですか?」みたいな事を言っているけど、当時の状況を考えるとそんなに笑えないです
今本気でそう思っている人がいるのであれば、それは問題ですけど

推理小説を作者と読者の知的ゲームと捕らえるのであれば、森氏の作品がかなりお勧め
何故なら用いられているトリックは全て物理的な問題点が少なく、技術的に可能と思われるからです
現実には出来ないことを出来た・・・といわれても、それは納得しがたいのですが
そういう意味ではとてもフェアだと考えています

 

姑穫鳥の夏

作品が世に出た順と言う意味では「全てがFになる」よりも先ですが、僕が読んだ順と言うことで
京極夏彦氏のデヴュー作
森氏の推理小説が理論重視なのに対して、こちらは感性重視という印象を受けました
ただ、文系ミステリィという評価は正しくないと思っています
文系にしろ理系にしろ、理論立てて議論していくことは必要であって、その点はどちらにも当てはまります
違いは用いる素材であってそこに文系とか理系といった評価が入る余地は無いんじゃないか・・・というのが個人的見解

特に『主観』を重視したストーリィ、トリックを使われると思ってます
普段何気なく考えていること、それに対する認識をときおり覆してくれるので、その瞬間を楽しみにしているわけです

 

 

原罪の庭

篠田真由美氏の建築探偵シリーズ、第1部の最終巻
上の2作は共にデヴュー作でしたが、彼女に関してはこれが一番好きです

建築というものの奥深さに触れられた気がします
建築家も施工主も何らかの意図を持って建物を造っているわけで、その意図を汲み取ると言うことがこんなに面白いとは思っていませんでした

 

天使の卵

年上の女性と学生の恋の物語
こういう恋愛ストーリィは村山由佳氏の独壇場だと思っています
王道の王道たる理由が溢れていて、何度でも読み返せます
誰もが恋した経験をもっているでしょうし、その恋の記憶が今も薄れずに残っているかも知れません
そのときの甘酸っぱい感情やどうしようもない焦燥感など、本人しか感じ得ないことを一人称でテンポよく書いているのはとても好きです

このストーリィには後日談として、「天使の涙」という本も出ています
前作に出てきた夏姫嬢に恋する学生の話・・・で良いんでしょうか
場面展開とか技巧的には後者の方が優れている感じがしますけど、感性の瑞々しさを買って前者を奨める事にします

余談ながら
天使の卵、作者様にサインしてもらいました
僕がN大学に入学したとき、大学祭で作者様が講演にいらっしゃったのです
実行委員にいた権限を利用したわけではありませんが(笑)、当日も本人の背中を真後ろで見ながら話を聴いたものです
本のカバーには写真が載せられていますが、印象はもう少し「綺麗な人」です
当たり前のことを当たり前って言うだけの素直さが記憶に残っています

 

忘れ雪

純愛物語
ひとことで表現するならば、こうなるんじゃないでしょうか
彼のことだけを7年間待ち続けた彼女と、そんな彼女をこれ以上悲しませたくない彼
一度すれ違ってしまったら、二度と交わることはないんじゃないかって思わせる運命は手に汗を握らせます

僕が気に入っているのは、蛇にされてしまった恋人の話です
それぞれの気持ちがストレートに表現されて、どの感情も筋が通っています
別々の答えを導いた2人は、決してその気持ちについて相容れることはないでしょう
ですけど、かつては別の答えを出したけど、今は相手と同じ答えを……というシーン
そこで初めて相手の気持ちを理解し合えた……理解し始めることができたんじゃないかって、思います

ちなみに、作者の新堂冬樹氏、作中でも一部ハードボイルドなシーンがありますが、デビュー作の「血塗れの神話」からそういう作風の方です
純愛モノを書けるとは思っていませんでした
まぁ、ハードボイルドと言いながら、その中でいろいろな形の『愛』について触れてきていたので、書くべきものを書いた……という印象がないわけでもないです

 

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 Comics

 

まほろまてぃっく

最終巻だけやたらと分厚く見えるのは、きっと僕の気のせいでしょう(笑)
作画のぢたま某氏は雑誌掲載後に(ギャラがでないのに)大幅に手直しをすることで有名だったりもしますし

キャラに触れるのはあまり意味がないと思うので・・・ストーリィについての感想など
前半のほのぼのした雰囲気と、後半の殺伐とした雰囲気のギャップがそれなりに生きていました
もう少し生かしても良かったんじゃ・・・とは思いますけどね
せっかく前半であれだけ柔らかい雰囲気を醸し出していたのですから、その時出した物をもう一度後半出すことでギャップを強調してみるのもありかと

苦情を言うのであれば、「まほろさんを愛しているから」っていうのは不要
彼女が砂浜に書いたみたいに、口に出さないくらいのほうが中学生らしさが出るだろうと思っています
きっちり口に出して告白できるなんて、中学生らしくありません(笑)

 

Black Lagoon

タイあたりで運送屋やってる「ラグーン商会」の話
普通の運送屋じゃなくて、生きていくために「ちょいと御法に触れることもする」あたりが本質
ロックとレヴィの恋愛物語にはなりそうもありませんが、その辺のイメージはとても好き
レヴィ自身はきっとロックの考え方に憧れてて、でも生きていくためにはそんなんじゃダメだから・・・と押し殺しているような印象

登場人物は誰もが過去を持っていて、その過去を直視できないがために他人の過去を聞くこともできない・・・みたいな、いわばジレンマに近い状態
多分それぞれの持つ過去はそれぞれの人格形成に深く関わっていて、関係ない人間がとやかく言う問題じゃない
でもそういう問題を客観的に見ることが出来るのは明らかに関係ない人間であって、身内意識を越えた何かを今後みられるのではないかと期待

reference site:

 

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 Animation

 

新世紀エヴァンゲリオン

このwebsiteの存在意義の前提を作ってくれた作品
僕は放映当時受験生で、リアルタイムでは見ていません
が、後にクラスメイトに借りて、13時間一気に見ました

一言で言ってしまえば「シンジ君の成長日記」なストーリィですが、展開の中に『恐怖に怯える生の人間』が書かれているなぁというのが文学的(?)解釈
文学的解釈なんてどうでもいいので(笑)、ここではまずLASに至った過程でも綴ってみようかと思います

一部で強硬に主張するヒトもいますが、僕自身はLASしか書かないわけではないです
LRSが嫌いなわけでも、当然ありません
たまたまストーリィとして書くのはLASの方が多いですが、彼女がも少し動いてくれるのならば(笑)LRSの方が多かったでしょう
妄想の中くらい優しいストーリィにしたかったので、今のところ痛い話とか殆ど書いてません(主観)
ちなみに、他のヒトに奨めるのであれば「青き空に雲は流れ・・・」か「時が、走り出す」あたりを奨めておきます
両者ともLASかLRSかという垣根を越えてキャラクタが立ってるので安心して読めます

というわけで、別にLRSを否定するわけではありません
それよりLASが好きだったと言うだけです

reference site: GAINAX

 

R.O.D. / R.O.D. - the TV -

前者がOVA、後者はその名の通りTV放映されました
紙使いが送る文系アクション
OVAは全3巻、the TVは9巻です
一応、OVAを見てからthe TVを見た方がお楽しみいただけるのではないか……と思います

個人的にはアニタがお気に入り
コロコロ変わる表情とか

 

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 Other stories

 

月姫

もはや知らない人もいないくらい、有名な同人ゲーム
2003年には商業化してしまいましたが、月姫発表当時TYPE-MOONが同人サークルだったことは事実のまま残ります

那須さんのストーリィに言えることなんですけど、世界観そのものを作ってますよね
月姫にしても、Fate / stay nightにしても
そのおかげでゲームみたいにmulti endingは作りやすいんですけど、どれかひとつに絞ってしまうと・・・どこか世界に深みが出てこないような、そんな欠点がみられるような気がします
アルクェイドルートと秋葉嬢ルート、この辺はがんばったらシナリオ的に両立が可能っぽいですけど・・・琥珀さんルートとか、既に秋葉嬢ルートをクリアしているのを前提としているので、ストーリィとして独立は難しいでしょう
その代わり、緻密な世界観は他に類を見ません
小さなひとつひとつの設定が何処かで生きていますし、各ヒロインの見せる表情全てに想いが込められています
というわけで・・・少し前置きが長くなりましたけど、お気に入りのキャラクタを中心にあれこれと

・アルクェイド
一番好きです
秋葉嬢や琥珀さん、翡翠、先輩みたいに全てのシナリオで登場するわけじゃないですけど
ヒロインの中で一番強いはずですけど、普段はそんな素振りもみせないで
街を一緒に歩いてみると、『お姫さま』って印象が全然なくて
大切な人を護るために、一度した約束を『忘れちゃった』って、とても痛そうに言ったり
『好きだから・・・だから、血を吸うなんて出来ない』って言って彼の前から姿を消したり
特に好きなのが彼女が最後に言う、
『これからまた眠るけど・・・志貴の夢を見る
 それはきっと、凄く楽しいよ 』
って、愛と温もりと悲しみの同居したセリフ・・・これがきっと、ふたりの関係なんでしょう
永遠に結ばれることは叶わないけど、相手を思いやる心だけは何よりも深くて
お互いに残されるのは思い出だけ
何時か美化されて霞んでしまうかもしれないけど、愛したことだけは忘れないような・・・
そんな感傷を呼び起こすところが、このアルクェイドの好きなところです

・秋葉嬢
妹キャラってだけじゃなくて、言いたくても言えないことを胸にしたまま苦しむところが悲しくも似合ってるな、と
頼りにしていたひとがいなくなってしまって、一番最初に思ったことが『彼が帰ってきたときに、がっかりしてほしくない』だったんだろうなぁというのが、僕の意見です
本編中で志貴を怒るシーンが幾つもありますが、遠野の名を持つ人間として要求されるレベルを先に教えておきたいって言う親切心だろうと踏んでいます
琥珀さんと共に裏事情全て知っている人間ですよね
それ故の辛さは絶対にあったはずですし、自分の不手際で志貴を苦しめたのはやりきれなかったでしょう
遠野一族の悲しさの象徴が彼女のシナリオに現れています
人から外れてしまったものとして、愛する人をも手にかけないといけなくなるのか
それとも、他の人を犠牲にしてまで自我を保たないといけなくなるのか
アルクェイドのシナリオとは逆に、秋葉嬢の前に姿を見せた志貴が最後には姿を消す・・・という展開になっていますね
志貴に貸していた命を返されたとき、彼女はきっと嬉しくなかったでしょう
絶対にそうする人だって解っていながら
(〆未定)

・琥珀さん
遠野屋敷の影のフィクサー(笑)
声が嗄れるまで泣きたくても泣けなくて
助けを求めたいのに誰にも求めることができなくて
一番無邪気な時間を過ごせるはずの時に身内のそんな姿をみていることしかできなかった・・・
そんな悲しさが、ふと見せる表情にも窺えます
本当は誰よりも甘えたいのかもしれないのに、甘え方を知らない
どうやったら好きな人に喜んでもらえるか解らないから・・だから、自分の身を犠牲にして何かすることでしか、そんな感情を示せない
SSなどでは徐々に志貴に甘えていく彼女が書かれていたりしますけど、実はそうした姿は本編で書いて欲しかったかな、と思っています
だって、彼女の一番の望みですよね?

・翡翠ちゃん
一番静かだけど、一番志貴のことを客観的にみている人
常にメイドって言う一歩引いた立場にいるけれど、アルクェイドみたいにまっすぐ感情を示したり、秋葉嬢みたいに迂遠だけど純粋な気持ちを然りげなく提示したり・・・それに負けないくらい、彼のことをみてますよね
過去の想い出を美化するために『志貴といる現在』は『志貴といた過去』と別のものだって・・・そう、身体に刻み込むかのように規律ある態度をとるのがいじらしいです
志貴にとっては日常の象徴っぽくなっていますけど・・・彼女にとって、そう思ってもらえるのが一番なんじゃないでしょうか

・シエル先輩
カレーとかカレーとかカレーとか(笑)
そのへんの趣向は別にして・・・
「ひととして、死にたいだけです」って、自分で衝動を抑え切れなかった彼女の心の叫びなんじゃないかって思います

だんだんコメントが短くなっていますけど、僕の好きな順になっているので仕方ないです(笑)

reference site: TYPE-MOON

 

 

 ひぐらしのく頃に

某氏に奨められて、あっという間にはまってしまったストーリィ
月姫と同様にNScripterを使用しているので、MacOSXではCCScripterによって動作可能です
ただしBGMだけは上手くインポートできないので今のところ諦めています

もともと推理ゲームと言うことになっていますが、設定の奥深さはそれなりに感動的
それぞれのストーリィで解決に至る情報は提供されているようですが・・・2005年3月現在では、まだまだ全ての謎が解け切ったわけではありません
純粋な推理としてフェアかどうかは最後に議論になるかも知れませんが、とりあえず楽しもうと思っております
以下、それぞれのキャラクタに関する好み(笑)

・レナ嬢
個人的には一番好き
ちょっと電波が入る感じもしますけど、基本的に女の子してますし
素直に優しいけれど、ちょっと影を抱えているところも好きです
その影を抱えていることに引け目を感じたりしていそうなところとか

・魅音嬢
レナ嬢と並んでやっぱり好き
素直じゃないところとか、心の底では凄く女の子なところとか、あれこれ要素はありますが
立場と気持ちの板ばさみなんて結構泣けます
綿流し編で圭一を刺したとき、彼が取ってきた人形を抱きしめて泣いたと思いますけど、どうでしょう?
気持ちを押し殺して、押し殺し切れないあたりが一番彼女らしいかと

・沙都子嬢
あんな感じの妹だったらほしいのかも(笑)
普段は口も悪いし手癖も悪いけど、自分で何とかしようって必死に努力する様は見ていて儚げなイメージです
やっぱりそういう女の子は守ってあげたくなりますね
圭一と悟史の気持ちが結構解ります(爆)

・梨花嬢
考えることが歳と似つかわしくなくて、多分一番かわいそう
・・・かわいそう、という同情心でしか、彼女に接することのできないあたりがもどかしいですね
村の表も裏も知ってしまったが故に負わなければならない重圧とか
個人的には、魅音嬢と同年齢だったらもう少し展開が変わったと解釈しています
きっと、お互いに励まし合ったりして苦難を乗り越えただろうに・・・と

reference site : 07th Expantion

 

家族計画

Windows用のゲームですけど、頑張ればMacintoshでもできます
題意に添ったルートは2つだけなんじゃないかと思ってますけど、楽しいので構わないです(笑)

・末莉
一番好きなルートです
このストーリィの中で、『家族の意味』を綺麗に提示してくれたと思います
ある程度は打算で始まった計画ですけど、打算だけじゃなくて素直に「できることをしてあげたい」っていう気持ちが芽生えるまで……
そんな、優しいルートでした
背伸びして必死にならないと生きていけなかった彼女……そんな彼女が本当に心を許せる「家族」を手に入れるまでの物語
そう捉えています

やっぱり、我侭を言う権利って、誰にでもあると思うのです
いつでもとは言いませんけど、言っていいときって、確実にあります
彼女はそんな権利を与えられなくて、自分の居場所の確保に必死になって
彼も自分と重なって見えて、でも実は彼女の方がずっと辛かったことに気がついて
そんな彼女に『幸せになる権利』を与えることができたのは、彼にとっても幸せなことだったんじゃないかな……と

・準
末莉の次くらいに、「家族計画」の意味の大きさを提示してくれたルート
ただし末莉は『家族』に焦点を当てていたのに対して、準は『家族計画』に焦点を当てていたのかな……と解釈
とにかく彼女に関しては、打算じゃなくて心を許しあえる『誰か』がほしかったんだろうと思ってます
あとは……少しだけ、自分に素直になれたこと、かな?
家族計画を独り立ちのきっかけに出来たと言う点では、一番成果の大きかったのは彼女のはず

・春花
いろんな意味で一番美味しかったルート
一応ストーリィの影の部分が殆ど明らかにされてますけど、実質明らかにされていなくても……って気がしなくもなかったり(笑)
彼女のストーリィについてもやっぱり『家族』をイメージさせるんですけどね……
なんとなく、微妙な感じ
上の二者と違って、求めるだけじゃなくて自分からも何か与える、みたいな印象がありますね
『家族』に対する見かたがちょっと違うって思いました
どちらにしても一番の問題は素直に解決されたので、良かったです

ただ……寛が、春花を切り捨てようとするところ
あそこだけ気になっていて、そういう割り切ることなく助け合うのが『家族』ではないのか、と思うわけです
そういうところは、末莉の主張が影響しているのではないかな、と

・青葉
ツンデレでした
『家族』っていう感じからは遠かったんですけど、終えてみると意外に近かったと思います
どちらかというと『家族』であってもなくても出来たストーリィだとは思いますけど、失った信頼を取り戻すっていうストーリィで良かったとは思います

・真純
ん〜評価が一番難しいのかな……
青葉と同じ主旨を、別のキャラとストーリィを使って別の面から表現しようとした……っていうルートです
いじりがいのあるキャラだったんですけど、持ってる事情が一番『大人の事情』でしたね
そういうストーリィが絡んでいるのも悪くはなかったと思っています